2019年10月24日木曜日

自然は先生

 いつものように、校門で子ども達を迎えていると、5年生のある女の子が「はい」と言いながら、私に何か手渡しました。開けてみると、イチョウの葉に赤い実が2つ包まれていました。まるで、トトロがサツキちゃんに手渡したのお土産みたいです。緑と赤は補色関係にある色。お互いを引き立て合ってとてもきれいです。葉っぱのしなやかな感じとか、実の堅さとかは触らないとわからないことです。葉は、力加減を調整しないと破れてしまいます。自分以外のものに優しく働きかけることの必要性も学ぶことでしょう。

 また、6年生の女の子が、「あ、大きなガ!」といって指さした先には「ヒメヤママユ」という「ガ」がいました。私がひょいとつまみ上げると、そこにいた子ども達は一瞬たじろぎます。しかし、「ほら、かわいい顔してるよ。ヒメヤママユのメスだな。」と言って差し出すと、「ほんとだ。」と言って指先で触っていました。もちろん、毒などはありません。よく見ると、とてもきれいです。羽の丸い模様は、「目」のように見えて外敵を脅します。前翅の端は、蛇の頭のように見えます。こういう模様の羽に進化することで、外敵から身を守り、種を保存してきたのです。「気持ちが悪い虫」だという根拠のない「思い込み」も、こうして丁寧に学ばせると変わっていきます。正しい知識は物事の本質を知る事につながるのです。そして、興味がわくと、詳しく調べてみたくなります。これこそ「主体的に学ぶ」姿です。


 これは、4年生の女の子がくれた「サクラの皮の指輪」です。拾ったサクラの枝の皮をむいて遊んでいるうちに、指輪に見えたのでしょうか。私の指が太いので「小指用」だそうです。道ばたに落ちている枝は、想像力を育む価値ある教材です。この子のお母さんは、自然が大好きで、源流の森のインタープリターもしておられる方。親の価値観や生き方は、子どもに伝わります。すばらしい・・・